第14回『陸軍前橋飛行場』
今の日本からはかっての悲惨な戦争を身をもって味わった人達が次々にこの世を去りつつある。
昭和20年敗色日本の焦りから群馬県前橋に特攻目的の飛行場が出来た。
この映画は当時10代はじめの少年少女、今は80をとっくに越えたお爺さんお婆さんが語る戦争の実相だ。
農地は軍の命令でイヤも応も無く取り上げられた。
出撃はお一人ですか、と聞く少女に少年航空兵は、いやコイツと二人ですと腰にぶら下げた人形を指した。
敗戦寸前それまでの事をすべて削除した日本の軍機構。
声高な反戦のメッセージではなく実際にあったことを実直に綴った秀作。
中々観る機会がないかもしれないが是非観て欲しい一本だ。
『陸軍前橋飛行場~私たちの村も戦場だった』
太平洋戦争末期に群馬県の旧群馬町(現・高崎市)に急造された陸軍前橋飛行場に関する記録や証言をたどり、戦後70年以上がたち風化しつつある戦争体験を現代に伝えていくドキュメンタリー。太平洋戦争のさなか、群馬県の中央部に作られた前橋飛行場だったが、利用されたのは敗戦までのわずか1年だった。建設のため田畑が強制買収され、地域の人々が駆り出され、そして完成した飛行場から訓練された若者たちが戦場に飛び立っていった。そしてそこには、特攻隊員と地域の人々との交流など、さまざまなドラマがあった。戦時中の村人の苦痛や忍耐生活を記録した「村日記」を清書して今に伝える住谷佳禹さんをはじめ、当時を知る人々の証言を丹念に収録した。監督は「プッチーニに挑む 岡村喬生のオペラ人生」の飯塚俊男。
製作・監督:飯塚俊男
2018年/日本/ 69分/
配給:パンドラ
公式サイト:http://maebashi-hikojo.com/
(映画.comより)