ふとぎょろ、映画「放浪記」を観るの巻
ふとぎょろ、冷泉さんおすすめの高峰秀子主演「放浪記」を観に神保町シアターへ。
いま、神保町シアターでは『古屋信子と林芙美子 女流作家の時代』と題して、昭和の激動を生きた女流作家たちの作品が上映されております。「放浪記」の他に「鬼火」や「下町」など、珠玉の映画を観ることができます。
もう後半に入っているので上記の三本の上映は終わってしまっています…。
あ、でも、「女の暦」はこれからです。
冷泉さん曰く「映画ファンの間で注目の映画なんだよ。」と。これも時間を見つけて行きますわよ!
さてはて、「放浪記」を観ました。
森光子が生涯を通して舞台で演じた作品。
断片的なシーンしか観たことないのに観た気でいたけど、
こんなにも懸命な女性を描いていた作品だったのね。
作家・林芙美子の自伝的小説を映画化したもの。
高峰秀子の熱演が、目に焼きつきます。
千とも万とも、幾重にも表情が変わり、感情が変わっていく。
幼さが残る娘の時代から、歳を重ねていく過程が滑らかに変化していく。
ぺロっと舌を出す仕草が可愛いのなんの。
綺麗なお姉さんの高峰秀子しか、まだ観たことなくて。
こんなにも気だるくて、顔がいい男に弱くて、貧しさがなんだってんだ!という静かな気迫を常に感じさせる高峰秀子。
周りの俳優、女優陣も皆それぞれに人間味があり、生き生きしている。
特にこの人はすんばらしい!!と思った俳優は、芙美子を詩人仲間に誘ってきた白坂を演じた伊藤雄之助。
最初出てきたときは、怖い大きなノッポさんが来た!!と思ったけど、喋り出すと声がめっちゃ気が抜けていて、しかも聞き辛い男女の関係を飄々と聞いてしまう。出てくるたびに、ほっと一息つける人物で、このうまく気が抜けた感じが堪らない!見習いたい!と思った。
この強面どこかでみたことある。観終わってからずーっと考えていて、気がつきました。「日本のいちばん長い日」で飛行団長を演じていた人だ!
なんだって!あのめちゃくちゃ怖い顔で微動だにしなかった飛行団長だって!?
俳優ってすごいわ。
映画の内容が素晴らしく「映画ってすんばらしい!!」と、映画館出た後のふとぎょろは興奮気味。
「福地(宝田明)の顔つきだったら、芙美子だけじゃなくても、尽くしちゃうわ。」と、ふとぎょろ。
観終わって後は、これまた冷泉さんおすすめの「三幸園」へ。
餃子が美味しいのなんの。
タレをつけないで、そのままでも十分美味しい味がついている。
すんばらしい映画に、すんばらしい料理。すんばらしい一日をふとぎょろ過ごしました。
冷泉さん曰く「高峰秀子の『放浪記』。女優は見たほうがいい」と。
ええ、私たち、女優でもありますから。
表現者として、上質なものを見るようにと常に言われています。映画、本、絵画など。
上質なものを食べることも。芸の肥やしにいたします。
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