「横兵庫」髪結い実演イベント@すみだ北斎美術館

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先日3月3日すみだ北斎美術館にて「髪結い実演イベント」が開催されました。まずはじめに、ポーラ文化研究所シニア研究員の村田孝子さんによる「江戸の遊女はファッションリーダー」と題して、江戸時代の髪型の変化や化粧について詳しい解説を一時間。その後、一時間は髪結いの実演でした。村田さんは美術館企画展「Hokusai Beauty ~華やぐ江戸の女たち~」の監修もしております。

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髪結いの実演は、まず「唐輪髷」から変化したといわれる「兵庫髷」を結ったモデルさんが登場。この「兵庫髷」を、江戸時代の遊女の代表的な髪型「横兵庫」に、結髪師の林照乃さんが結っていきます。

まず、髷を解いて、前後左右に髪の毛を部分わけ。モデルさんの地毛は、前髪も腰辺りまで長さがありました。後ろ髪はおしり辺りまであったんじゃないかな。髪の毛をつげ櫛で丁寧にまとめていきます。

後ろ髪部分を上にあげ髷にしていく時に、林さんが名一杯腕をあげて髪の毛をまとめているのを見て、私は伸びるトルコアイスを思い出してしまいました…。

そのまとめた後ろ髪部分は笄に巻きつけ、かもじを足していき、まとめた後ろ髪部分を真ん中から綺麗に、左右に分けます。綺麗な蝶の形になりました。左右のびんをまとめ、べっ甲色の簪を挿していき、櫛を二枚左右に分けた部分の前あたりに挿し、細かい飾りをつけて完成。

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江戸時代の遊女の代表的な髪型「横兵庫」の完成です。

髪結い実演イベントには、ざっと80人ぐらいの観客が講座室にいたんじゃないかしら。じっと観客が見守る中行われ、髪型完成後の撮影タイムではシャッター音が鳴りやまなかったです。

改めて髪結いって時間かかりますねぇ。びんつけ油を髪の毛全体に馴染ませたり、白粉を塗ったりと、この日のイベントは14時からだったのですが、モデルさんの化粧や髪結いは12時ぐらいから始めていたようです。村田さんの解説によると、江戸時代の遊女も支度は昼過ぎからだったとか。

髪の毛を「もっとい」(こよりのようなもの)で、林さんは歯を使って「グッ、グッ」と縛り纏めていました。「入れ歯になったら(髪結いは)出来ません。」と林さん。髪の毛を縛っている姿、かっこよかったです。

白粉も髪の毛を結っていると違和感ないですね。蛍光灯なので、どうしても真っ白けではありますけど。村田さんの解説では「ろうそくの灯りだと、白粉は薄ピンク色に見える」のだとか。あら、今度はろうそくの灯りのなかで見てみたいなんていう欲が出ちゃいました。

村田さんの講演も興味深いことばかりでした。お歯黒は虫歯や歯槽膿漏予防だったり、関西と江戸では簪の挿し方が違うなどなど、江戸時代のお洒落をたっぷりとお話が聞けました。

 

(葛飾ふとめ)

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