【「無視覚流」両国まちあるき】をふとぎょろ体験してきました!

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「無視覚流」の達人 広瀬浩二郎さんとふとぎょろ

2018年3月24日・25日開催すみだ北斎美術館【ワークショップ】感覚をひらく・想像をふくらませる ~「無視覚流」両国まちあるきと、対話型鑑賞で楽しむ北斎~ ふとぎょろは24日の「無視覚流」両国まちあるきを体験してきました!

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まず、すみだ北斎美術館講座室にて、広瀬さんによる「感覚をひらく、まちあるき探検」と題して、「無視覚流」講義を一時間程。視覚による情報がない分、想像を膨らませることができる。聴覚や肌感覚がより鮮明になり、より街に入り込むことができる。などなど、「無視覚」で出来ることを広瀬さんご自身のエピソードを交えての講義内容でした。

広瀬さんざっくばらんにお話する方で、広瀬さんがイギリス出張先で暗闇レストランに入ったというエピソードが印象深かったです。イギリスへ行った時に、友人から「イギリスに来るってことで、広瀬さんの為に暗闇レストラン予約しといたよ!」と、広瀬さん言われ「僕いつも暗闇だから、なんら変わらないんだけどなぁ」と思いつつも「ありがとう」といって暗闇レストランに入ったとのこと。広瀬さんは、暗闇レストラン内を案内なしにスイスイ進んで、奥の席に着いたようで、案内する視覚障がいを持ったスタッフに「なんで座れるんだ…!?」と驚かれもしたとか。

講義の他に、「無視覚」に慣れる為、アイマスクを着用して、聴覚や嗅覚など、視覚以外の感覚が「無視覚」状態になるとどう変化するのかという体験をしました。

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アイマスクは触り心地のよい素材でした。後ろはマジックテープになっていて、眼に当たる部分は、くぼんでいて圧迫感なく装着できました。くぼんでいるのもあって、なんとなーく、ブラジャーっぽいと思ったのはヒミツです。

視覚による情報で人は味を判断しているのでは?という実験で、アイマスクを着用して「無視覚」状態で飴を食べ、何の味か当てるということもしました。私はピーチ味で比較的分かりやすかったかなと。一瞬、メロンかな?と思ったり、意識をしていないとだんだんと只の甘い塊になっていく感じもしました。

レモンやパインを食べた人は味外れていましたね。柑橘系って同じに感じちゃうかも。パインも甘いとちょっとわかりづらいかも。広瀬さんによると「当たる人外れる人、いつもは半々ぐらい」だとか。今日は、当たった人が26人、外れた人16人とあり、比較的味覚の感性が豊かな人が多かったようです。

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今回は「ブラインド・ランチ」も体験!食をテーマに活動するアーティスト EAT&ART TAROさんによる江戸時代の食事を意識した軽食を「無視覚」状態で頂きました。

あらかた、どんな容器に入っている・料理名などは説明を受けて食べ始めます。

いやー、まず、箸で食材を掴むことができませんでしたね。掴んだかな?と思っても空振りしたり、口に運んでいるつもりでも、食材の向きが分からず、うまく口に入らなかったり。あと、なんとなく、一つ一つの食材が大きく感じました。掴みやすいように、大きかったりもしたのかな?でも、なんとなく、全体的に大きかった。あ、でも甘味の桜餅はもっと大きくてもよかった!

軽食も食材がどんなものか当てることをしました。お寿司で「かつおのたたき」がネタにあったのですね。最初は「食感が、たたきっぽいから、かつおかな?」なんて思ったのですが、周りの人が「しめさば?」とか「白身魚?」なんて声を聞くうちに、分からなくなってまして。私、人の意見に流されやすい!?なんていう性格判断もできたりするかも。ま、一口目で当てましたから、ふとめ、味覚の感性はずいぶんと豊かのようですよ。「無視覚」状態だと、味覚が鋭敏になるなと思いました、辛みとか、すっぱさがいつもよりきつく感じました。

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お食事はこんな感じでした。

[笹の器]には、がり・かつおのたたき鮨・づけ鮪鮨・水菜入り出し巻玉子・桜餅

[木の器]には、煮しめ(たけのこ、ゴボウ、椎茸、にんじん、れんこん、こんにゃく、がんも、のびる、さやえんどう)、菜の花のからし和え、豆腐(梅肉・味噌ソースのせ)

煮しめには、ぎょろめちゃんが苦手とする椎茸が入っておりました。ぎょろめちゃん、しっかりよけて食べたとのこと。あらあら。他の参加者の中には、苦手な椎茸「無視覚」だと食べれちゃったという人もおりましたわ。

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これは、広瀬さんが講義中の時間確認をしていた時計。音声で時刻を伝える時計も広瀬さん身に付けていましたが、講義中は音が気になるので、このデザインの時計で触って確認していたとのこと。視覚障がい者専用の時計などは、どうしてもデザイン性が乏しく、買う人が少ないため価格も高いんだそうです。写真の時計は、ユニバーサルデザインのもので、少しお値段は安くなるとか。

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これは、街歩き前のウォーミングアップとして、ペアの人と腕の力点を支えに、「無視覚」状態で色々動いてみようというもの。街歩きで誘導する人、される人の大事なポイント。接触点を軸に、身をゆだね、お互いを信頼していくというものでした。

講義からウォーミングアップもし、いざ「無視覚流」両国まちあるきへ!

街歩きガイドは「北斎通りまちづくりの会」の人達が先導となって案内を。野見宿禰神社(のみのすくねじんじゃ)→ Le Coeur bakery&cafe東あられMERIKOTI → すみだ北斎美術館 と街歩きしました。

いやはや、誘導するのに、ふとめは一苦労しました。右と左の感覚がちょっと瞬時に判断できないのと、公園や建物の言語化が出来なくて、ちょっとあたふた。他の参加者で、誘導以外にも「公園に富士山の形をしたジャングルジムがある」とか「(東あられ店内では)色んな種類のおかきがあります。」などなど、めっちゃ言語化して誘導される人に説明してる!!と思いました。うーむ、反省だわー。視覚情報がないということは、言葉による聴覚情報が大事になってくるのねぇ。改めて意識しました。

誘導される方は、身を完全にゆだねていました。ふとめ、人に身を任せる上手です。「無視覚」状態ですと、聴覚や触覚が鋭敏になりますね。MERIKOTIでは、メリヤス紐を作る機械可動音の「カツーン、カツーン」という音がいつもよりシャープに聞こえたり、歩道から横断歩道を渡るときに、溝?段差による微かな空間?が、やけに深く感じて、少し渡るのが怖かったり。耳や、足裏、あと、肌も敏感に。風の冷たさとか、太陽の向きとかいつもより情報量が多かった。

視覚情報を遮断することで、その他の感覚情報が増しました。

広瀬さんは「障がいを持つことで「できない」ということが強調されることは避けたい。」と言っていました。そういえば、日本バリアフリー協会理事の貝谷さんも「障がいを持つことで「できない」ことに目を向けるのではなく、「できる」ことを大事にしたい」と以前お話していたなぁ。(fmgワークスタジオ稽古場日誌記事

「目が見えない」ことで、不安になることもあります。現に、歩道から横断歩道に一歩踏み出すのが怖かった。点字ブロックも歩きづらい。でも、広瀬さん曰く「視覚障がいを持った人は、道のでこぼこを道しるべにして歩いている。」と。広瀬さんが久しぶりに通っていた大学へ行った時、道が平坦になっていたから、通う慣れたはずの道に迷ったというエピソードとともに、そう話していました。

バリアフリーってどうだったらいいんだろう?車いすの人は段差が少ない平坦な道がいいし、視覚障がいを持っている人はでこぼこ道がいいし。色んなものを持った人が住みやすい街ってどういうものなんだろう。今日の体験で、また新たな方向から「バリアフリー」というものを考えました。

25日の対話型鑑賞も行きたかったな~!触って芸術鑑賞気になる~!今日、触る絵本も体験しまして、触って絵を体験するってまた面白いと思うのです!

今日の「無視覚流」両国まちあるき、とっても楽しい体験でした。

あ、余談ですが、広瀬さん「葛飾ふとめ・ぎょろめ」と聞いて、おじさん二人をイメージしたようですよ。「とってもプリティなレディ二人組です。」としっかりお伝えいたしました。

 

葛飾ふとめ

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