俳優の心得(たぶん)冷泉さんが言ってました

俳優の魅力

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2012年、冷泉さんは縁あって、新宿・熊野神社のそばにある東京アナウンス学院でゼミを持つことになった。 まだ10代のみずみずしいフレッシュな学生たち。

ワークスタジオとはまた違う環境の中で、生徒たちにも「冷泉さん」と呼ばれて慕われていた。

学生たちに初めて会ったのは模擬オーディション授業。その合格者がゼミ生となる。
名前と短い自己紹介を順に披露するのだが、横並びの似た口調で、審査はとても難しかったと思う。
新人マネージャーの私には区別もつかず、冷泉さんや先輩の意見をきいてうなずくことしかできなかった。 結果10数人のゼミ生が決まったが、合格基準の見えない選定が私にはまだわからなかった。

半年後の発表会でみた生徒たちはまるで違っていた。 それぞれの子供時代の思い出をモチーフにした作品は清らかで明るく、 ひとりひとりにライトが当たっているようにいきいきとしていた。 冷泉さんがそれぞれの持っている小さな光を育てたんだと分かった。 学生たちが自由になっている。そう感じた。

「おれは教えないよ」と冷泉さんはよく言っていた。 授業でも、「ああするんだ」「これが正解だ」だなんてまったくで、 ゼミ生の輪に冷泉さんが入って、みんなでストレッチをして、からだを動かして、ときには美味しい物を食べる。 その時間の中で、それぞれの良さを見つけて、本人の気づかない間につんとつついて刺激してくれる。 今思えばそれは冷泉さんにも容易なことではなかっただろう。

2018年冬、ある夜に冷泉さんから電話がかかってきた。 少し前にあった若手発表会を終えての話だった。 「マネージャーが褒めてあげてよ。ここが良いよって言ってあげて」

俳優の魅力は個性にあると私は信じている。 小さな輝きをそっと押し出せる人になりたいと思う。

About The Author

FMGマネージャーkomatsu
愛媛県出身。冷泉さんから江戸っ子の粋を教えてもらう。

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劇団文学座に29年間在籍。舞台、映画、ドラマのバイプレイヤーとしての存在感とともに、俳優業と並行して続けたライブ活動における歌手冷泉のファンもたくさん存在していた。三枚のCDアルバムを発表。FMGワークスタジオのコーチとして新人を指導し、FMG公演では演出も手がけた。

FMGワークスタジオ

1999年FMGの新人育成を目的に冷泉公裕のコーチによる、俳優など表現者に必要な基礎を学ぶスタジオとして設立。しなやかな肉体、豊かな声作りに重点を置き、文学座の特徴であるリアルな演技表現を大事にした。レッスン生のひとりひとりの個性を見きわめ、持ち味を魅力的に引き出す指導だった。
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俳優・学芸人
1984年。神奈川県生まれ。2013年よりfmgワークスタジオ参加。2015年より北斎を楽しく学べる芸人[学芸人]葛飾ふとめ・ぎょろめのふとめとして墨田区を中心に活動中。三度の飯より甘味好き。趣味、食べ歩き。‬憧れの女優は浦辺粂子、塩沢とき、杉村春子。
葛飾ふとめ・ぎょろめ公式サイト
http://kitachan.jp/futogyoro/
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俳優・文筆家
平成7(1995)年、長野県長野市に生まれる。8歳から野球を始め、高校まで続ける。平成30(2018)年、慶應義塾大学文学部を卒業。在学中に映画、舞台に興味を持ち、卒業論文の表題は「ヒッチコック映画における階段シーンのサスペンス性」。2017年4月からワークスタジオ参加。現在はお芝居はもちろん、文章表現にも関心を持って、エッセイや短編小説なども執筆中。
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鯖と餃子と猫が好き。夢はなぎら健壱さんになる事。
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愛媛県出身。冷泉さんから江戸っ子の粋を教えてもらう。
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埼玉県出身。 趣味:ビール。