俳優の心得(たぶん)冷泉さんが言ってました

冷泉さん、語る。【前編】

, …
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約 4 分

冷泉さん(を)、語る。

冷泉「原稿書くの嫌だから、俺喋るから瀬戸が文字に
起こしてくれる?」
冷泉「酒、奢ってやるから。(笑)」

冷泉さんは正直者だ。
「原稿書くの嫌だから」に、その正直さが溢れている。

⾃らを『先⽣』と呼ばれることを嫌い、過剰な敬語と『マ
イケル・ジャクソンさん』の『さん』を諫め、⾞座になっ
て豚汁鍋を囲むことが⼀番のレッスンだと⾔っては率先し
て⼿際良くキャベツを切って(稽古場で)

20年近くもの間、fmgワークスタジオで若者たちの指導に
あたった冷泉さん。

私、⽊原陽⼦(葛飾ぎょろめ)は、2013年に⾏われた
fmg60周年記念公演「かもめ」出演をきっかけに約7年
ワークスタジオに通っていたのだけれど

冷泉さんはその7年間。いや恐らくきっと20年以上、肝
の部分では同じことを⾔っていた。

それは⼈と正直に、誠実に向き合うこと。

相⼿役に台詞を⾔う時はもちろん、事務所のスタッフをは
じめ周りの⼈たち、来てくれたお客様。そして、未熟な⾃
分⾃⾝ともまっすぐ向き合うこと。

この連載では、そんな正直な冷泉さんが2011年に語った
⾔葉を、これまた正直にお酒に釣られた瀬⼾さん(※1
が起こしたものを、前中後の3編に分けてお届けします。

『先⽣』や『さん』がだめだったのも、全てはそういう事
だったんだなぁと答え合わせするような、学び直すような気
持ちになる内容です。

冷泉さんの言葉が俳優に限らず職場・家族・恋⼈…あらゆ
る場⾯で当てはまることに気づいては、当サイトのスタッ
フ全員で「そういうことなんだよねぇ…」と噛み締めたり
もしました。

「いや、そういうことってどう⾔うこと?」と思ったあな
たも、「そういうことなんだよなぁ」と改めて思いたいあな
たも、ぜひ、最後まで読んでみてください。

正直、名作です。




冷泉さん、語る。【前編】

冷泉公裕「“らしい”ってのは、一番嫌だと思う。」

俳優さんっていうのは、
「台本をやらなくちゃいけない」
と言う使命感がある。

恐いのは、台本を丁寧に、
気持ちの丁寧じゃなく”形式上に”
丁寧にやっちゃうと一段落しちゃう
と言う所があって

後は慣れて来て回転がよくなって、
自分では凄くやっている気になるんだけど

実は僕はそういう芝居を
面白いと思ったことがないんですね。

ギリギリ忘れるか、忘れないか位の緊張感と
スリリングな物がある方が活き活きとする事を
いつも見ているので、

そういう状態を意識的に作る、
その為に台本がない方がいい。

台本は勿論あるんだけど、台本にとらわれない
台本の趣旨をどう使うかって言うことを
目指して稽古をする。

それらしい、何からしい、
例えば老人らしい、悪人らしい、

その何か”らしい”ってのは
僕は一番嫌だと思う。


本人の素みたいなものが、
じゃあ何もしてねぇじゃねえか、
と言われるかもしれないけれど、

実は、人の前に出るって事が
素じゃないんだよね。

その落差みたいなものが妙に動いた時に、
凄く光り輝いた俳優さんが
生まれるんですよね。

だから台詞を忘れたり、失敗した瞬間の
次の動きとか台詞が凄くいいんだよね。

だからって意図的にそういう事を作るのは
難しいんだけど、稽古の間でなるべく
その感覚を大事にしていくことですね。

その為には、台本台本って
言わない方がいいな、と。

最終的には、自分に出来上がったもので
違和感のないもが出来てきて、修正して、
物語的にこういう風にした方がいいなって
こっちで作っていって

あたかも自分の言葉で無理なくやった方が
見てる人には心地良いんじゃないかなぁって。

そういう芝居作り、アクティングの基本
みたいな事が、このワークスタジオで
出来ればいいんじゃないかなぁ。

中編につづきます)



About The Author

FMG所属俳優・学芸人木原 陽子
鯖と餃子と猫が好き。夢はなぎら健壱さんになる事。

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劇団文学座に29年間在籍。舞台、映画、ドラマのバイプレイヤーとしての存在感とともに、俳優業と並行して続けたライブ活動における歌手冷泉のファンもたくさん存在していた。三枚のCDアルバムを発表。FMGワークスタジオのコーチとして新人を指導し、FMG公演では演出も手がけた。

FMGワークスタジオ

1999年FMGの新人育成を目的に冷泉公裕のコーチによる、俳優など表現者に必要な基礎を学ぶスタジオとして設立。しなやかな肉体、豊かな声作りに重点を置き、文学座の特徴であるリアルな演技表現を大事にした。レッスン生のひとりひとりの個性を見きわめ、持ち味を魅力的に引き出す指導だった。
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俳優・学芸人
1984年。神奈川県生まれ。2013年よりfmgワークスタジオ参加。2015年より北斎を楽しく学べる芸人[学芸人]葛飾ふとめ・ぎょろめのふとめとして墨田区を中心に活動中。三度の飯より甘味好き。趣味、食べ歩き。‬憧れの女優は浦辺粂子、塩沢とき、杉村春子。
葛飾ふとめ・ぎょろめ公式サイト
http://kitachan.jp/futogyoro/
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俳優・文筆家
平成7(1995)年、長野県長野市に生まれる。8歳から野球を始め、高校まで続ける。平成30(2018)年、慶應義塾大学文学部を卒業。在学中に映画、舞台に興味を持ち、卒業論文の表題は「ヒッチコック映画における階段シーンのサスペンス性」。2017年4月からワークスタジオ参加。現在はお芝居はもちろん、文章表現にも関心を持って、エッセイや短編小説なども執筆中。
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俳優、モデル、ファッションプランナー
1993年、石川県生まれ。東京育ち。日本大学生物資源科学部を卒業後、同大学院に進学。大学院在学中にバングラデシュにてファストファッションにおける生産の実態について研究。この経験から、ファッションに重要なことは、明確な意見や主義を持つことではないか。 それを「ファッション・プリンシプル」と定義し、トークライブなどを開催。 2018年からは、いしかわ観光特使に就任。 趣味は、旅と靴磨き。好きな食べ物は、いなりずし。
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俳優
1979年、東京生まれ。 代表作に、映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』、『遺体 明日への十日間』、TBS系月曜ゴールデン『狩矢警部シリーズ』、BSフジ『警視庁捜査資料管理室』など。 読書家としても知られ、書評・映画評にもファンが多い。電子書籍文芸誌に連載したエッセイが単行本化されている。「小橋めぐみの本のめぐみ」
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俳優
1972年、兵庫県出身。2000年、現代制作舎30周年記念FMG提携公演『リメイン』をきっかけに、FMGに所属。冷泉チルドレンの古株としてワークスタジオを引っ張り、沢山の後輩に慕われる。美容師免許も持つ料理上手な一児のパパ。現在は子育てにも奮闘中!