私、レッテルを貼り付けようとしてないか?
こんにちは、かわさきみえこです。
いやはや、台風関東に上陸しますね!
夏もそろそろ終わりに入っておりますね。
さてはて、ワークスタジオは夏休みでした。
夏休みの間、テーマのある日記をつけることになりまして、
写真は各々の日記。
今回の日記で一番手が込んでいたのは、竹森さんの絵日記!
自画像がうまいことうまいこと、イラストの隠れた才能が垣間見れました。
文字もキッチリ、一マスに四文字入るようになっていたり、起きた時間を書いたりと、まめさが伝わる。
日記でも各々の個性が光ります。
◇
夏休み明けの稽古に観た映画「日本のいちばん長い日」
8月15日
71年前のこの日になにが起こったのか。三時間の作品の中に込められた願い。
この願いが多くの人に届きますように。
忘却は人間が生きていく術ですが、メモリーを大事にしなくては、ただの繰り返しをするまで。
国という意識を、私はあまり持ちたくないのですが、
でも生まれた国のことを知ること、起こった事実を伝えていくことは大切なことだと思います。
「教えてもらってないもん、知らないもん」じゃ、済まないことになる。
ちゃんと自分で知っていくことが大切だ。
映画の力は凄いと、ワークスタジオに通うようになってから、強く思う。
「日本のいちばん長い日」も映画だからこそ、ここまで実として体感できるのだと。
学校の授業で、教科書の字面だけでみても、なんにも感じなかったけれど、
映画だと、印象深く残る。
映画は作りものであるけれど、でも、実として色濃く私の記憶に残る。
演じているということは、嘘なのだけど、でも、それが本当よりも強く伝わることがある。
映画の力は凄まじい。
◇
ちょっと、稽古でセリフ合わせをしたのですね。
そこで、「かわさきはセリフになるとスピードが落ちる。セリフはリズムとスピードだ。」
と、冷泉さんからのダメ出し。
ああ、私、「〝セリフ”だから、ちゃんと丁寧に言おう」としてるんだわ。
もちろん、丁寧に伝えないと分からないわけでね、あれなんですけど。
でも、もたつくし、余計なことをしているところもあったな、と。
ただ、普通にセリフを言えばいいし、もっと、言い方も普通でよかったんじゃないか。
あんなにふれくされなくてもよかったんじゃないか。
かわいこぶらなくてもいいし、暗くならなくてもいいし、もっと普通に
「普通」って何よ。ってなるけど、「普通」を作るために、体操や、声の鍛練が必要なのかなと思う。
普通っていうか、自然かな。
以前より、はるかに滑らかに、自然にセリフが出るようになってた。
普通に自然に、それでいて、こめるのよね。
冷泉さんがセリフを言う時に、いたって自然だけど、気持ちがこもっているのよね。
でもって、気持ちを貼り付けたみたいじゃなくて、内から溢れてくるのよね。
実生活で、普通にやりとりしているときみたいに。
気持ちって内からくるじゃない?貼り付けられたラベルみたいなものじゃないじゃない。
私、レッテルつけることが演じることだと、どこかで思っているわね。
セリフでそのレッテルを表現しようとしてるんだわ。
だらか、セリフも遅くなるし、もたついて変な間やアクトが入るんだわ。
「普通」「自然」
もっと、もっと、生きてきた中で溜まったヘドロを出して、もっともっと澄みわたる清流を自分の中に。
もしかしたら、世の中の需要とは違うものかもしれないけれど、でも私は信じた道を進むわ。
だって、私の人生だもの。
人は何か言ってくるもので、少し迷ったりもするけど、
でも、私の道だもの。信じて、突き進むわ。
七月末に貰った今日の季語
「草いきれ」に「花茣蓙(はなござ)」
(記:かわさきみえこ)