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少し落ち着いた。「見る」ことができた。

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「わが町」の稽古をしています。

シーンに登場していない時は、客席にいてシーンを見ています。

と、言いましたが、最初余裕がなかった私は
稽古場の隅にいて台本ばかり見ていました。
自分が出るシーンばかり、自分の台詞ばかり見ていました。
そうしたら、ちっとも余裕がなく、窮屈な思いで、
自分の出番がきたら、シーンに出ていたように思います。
出ても、ただただ慌てているだけだった。

稽古を重なるうちに、余裕が出てきたのか、
客席に座って他のシーンを「見る」ことができました。

他の人の稽古で、シーンに動きが見えた時に、はたと思う。
「自分が出ているシーンは客観視できているか?」

まぁ、自分が出ているので、とても主観的になります。
自分のことばかり。相手の声も聞こえない。
どんなシーンなのかも分からなくなってくる。
【客観視】できるかは、なかなかに重要です。

話が変わりますが、
ワークスタジオメンバーと懐かしい話をしました。

「ダイエットかわさき」

私のダイエット経験を漫談にして
稽古場発表会で披露したことがありまして。
「一人で人前に立ったのが凄い」という話になりました。
私はなんだか照れてしまって、「あはは、そうかい」と
その場をやり過ごしてしまいました。

あんまり、一人でやったとは思っていないのです。ダイエットかわさき。

冷泉さんが「かわさきのダイエット話、ネタになるんじゃないか?」と、
ネタ集めてくるよう言われて、それをやったまでで。
ワークスタジオの時間内で、みんなの前で稽古して、
あーでもない、こーでもないってワイチャイしたように思うし。

まぁ、確かに、発表会では一人で人前に立って、
ダイエット漫談をしました。

発表会で披露した後、まだ私入りたてで
あまり話したことないマネージャーに
「もっともっとやれるよ。頑張って。」って言われたのは嬉しったかな。

「やる」ということは、結構大事だと私は思っています。

まぁ、やりたいことしかやってなくて、基本怠けている私。
やりたいと思ったことはやるようにしているし、
ここぞって時はやるようにしています。

「ここぞ」ってのも大事にしています。
それが的確だったのかはその時はわかりませんが、
でも「ここぞ」って時には決めたいですね。

ま、決まらないで失敗したりするときもありますが、
失敗して学ぶことは多いです。

やって、失敗して、次に進んでいく。その先に成功があると信じる。

あ、でね、何を言いたかったかというと、
ワークスタジオで稽古を積んだから、一人でできるのであって、
人の助力なしにはできていないし。
なんだかんだ、どんな形であれ「やった」人が、
少しずつ輝いていると思うの。

と、言いたかったように思うけど。照れてしまったよね。
ま、凄いことしたって少しは自信を持とうかな。

むりくり話を戻しますと「見る」って
初期にできる「やれる」ことだと思う。
「見る」を「やる」ってことに繋げたいの。

冷泉さんはよく「最初は見ることしかできない。」と言っている。
最初は何にもできないから、ひたすら「見る」
他の人の稽古だったり、映画だったり、舞台だったり、
絵画でも風景でも。
電車の中や飲み屋にいる人だったり。
あ、舞台や映画はいいものがいいって。

とりあえず「見る」

さて、次の稽古で、私は「見る」ことができるかな。

(記:かわさきみえこ)

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知らないことを知っていく―貝谷さんが見学に来てくださいました―

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NPO法人 日本バリアフリー協会代表理事の貝谷嘉洋さんが
レッスン見学に来てくださいました!

障害を持つ人の音楽コンテスト「ゴールドコンサート」主催など、
音楽を通して、障害を持っている人の支援活動をしている方です。
花村会長は「ゴールドコンサート」の審査員を近年務めていまして、
そのご縁もあり、今年は学芸「人」葛飾ふとめ・ぎょろめは
東京予選の司会進行やゲストパフォーマンスを務めました。

fmgワークスタジオでは、普段どういうレッスンをしているのか、
貝谷さんが興味を持って下さいまして、見学の運びとなりました。

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貝谷さんは進行性筋ジストロフィーを持っていますので、
電動車いすでの移動です。

スタジオの段差は、スロープを持参して頂きました。

 

普段のレッスンを見学後、少し貝谷さんのお話も皆で聞きました。

 

徐々に筋力が落ちていくので、ついこの間まで出来たことが
できなくなっていくことや、

介助しやすく強度があるお洒落なズボンは
なかなか見つけることが難しいなど。

日本は健常者と障害者の働く場などが
分けられていると感じている話も。

 

「知らなかったことを知っていくこと」は、
大いなるエネルギーを生むのだと、この日発見しました。

 

貝谷さんが帰った後の午後の稽古は皆いつもと少し違った。

とても良いエネルギーだったと思う。

 

貝谷さんの言葉で

「障害を持っているから【できない】ことばかりに
目を向けるのではなく、
障害を持っていても【できる】ことを見つけ大事にしたい。」
というものが、印象に残っています。

 

 

どうしても人間、【できない】にすぐ目が行き悩むのです。
でも、「できる」・「できた」ことを積み重ねることで
「できなかった」ことが【できる】ようになる。

 

「真面目くさってきっちりやっているから、売れるのか?」
と聞かれれば、「そんなこと私が知りたい」と言いたい。

でも、きっちり、自分の【できる】【できない】を見つめて、
「できなければ改善・補填していく」作業をすることで、
それは自分自身を信じる「自信」になる。
「ここまで時間をかけて、ここまで出来たんだ」という自信。

 

「ストレッチ」と「作文」は、積めば確実に力つくと、
花村会長が言っていました。

 

花村会長は、よく「オーディション会場に入ってきた時点で、
分かる人は分かる。」と話します。

「この人、いい」というのが直感で伝わるらしい。

 

肉体を鍛え、精神を豊かにしていく。

地道な作業だけれども、いつかの「その場」で輝く為に、
地道に鍛え抜く。

永久に輝く為に。

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肚(腹と腰)を使って声を出す。なかなか、腰に行かないのよねぇ。

青木、木原の声だしははっきり腰に行っていた。

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なんとなく撮りました。全員いるし、輪が綺麗だなと思って。

ピンポンパンゲームをしようと輪になりました。

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「今まで行った事がない街に行く」という宿題がたまに出ます。

今回はこんなラインナップ。渋いラインナップになりました。

貝谷さんから頂いた著書「ジョイスティック車で大陸を駈ける
―障害があっても移動しやすい未来を―」を読んでいます。

 

「知らないことを知っていく」

 

知らない街を歩くことも、「知っていく」作業。

それによって、すぐ結果が見えるわけではないけれど、
確実に蓄積される。

 

「蓄積」は「自信」へと変わっていく。

「過信」を削ぎ落とす為には「できない」ことにぶち当たっていく。

「できない」ことを「改善・補填」していくことで
「できる」ようになる。

その「できた」の蓄積でまた自分を信じることができる。

 

自分を信じるために、私はここで無様な姿だけれども、
のたうち回っています。

輝く明日の自分の為に。

 

 

(記:かわさきみえこ)