冷泉さんからの本
時折、冷泉さんは読み終わった本をワークスタジオメンバーに放出していた。
「適当に持っていって」というのもあれば、
「これは〇〇に」と個別で本をくれることも。
ある時、冷泉さんから渡された本が
大櫛ツチエ著「70年目の恋文」
召集され戦死した夫へと宛てた妻の手紙がまとまった一冊
「あなた」と夫を慈しむ妻の愛が綴られている。
なぜ、これを私に?
と、本を個別にくれた時、別段冷泉さんに問うことなく読んで解釈しようとした。
けれど、いま思えば
なぜ?と問うても良かったなと、今更後悔をしている。
冷泉さんは『きっかけ』を与えてくれる人だった。
その『きっかけ』を得て、さて、次に自分自身がどうするのか。
結局のところ、心を解そうと自分で思い、行動しなければならないのだ。
星型付箋の「川崎」という冷泉さんの字。
私の名字の漢字は違うのだけれども…
ま、いっか「川崎」で。
この付箋は捨てられずにいる。
(かわさきみえこ)
◇お知らせ◇
冷泉さんが新人俳優の指導を務めた「FMGワークスタジオ」
その出身メンバーやマネージャーといった仲間たちが、
冷泉さんとのやりとりを通して
学んだり感じたりしたことを
記憶を頼りに綴ったポータルサイトが誕生しました。
その名も…
「俳優の心得〜(たぶん)冷泉さんが言ってました〜」
https://kitachan.jp/reizei/
「FMG稽古場日記」は一旦おやすみとなります。
今後は「俳優の心得」にてレッスンで学んだあんなことこんなこと、
ちょっと良い話などが更新されていきます。
冷泉さんとゆかりの深い、あの人この人も登場する予定。
お楽しみに!